はじめに
短期留学は本当に意味があるの?
「たった1ヶ月の留学で、何ができるの?」「短期間でもメリットはあるの?」と疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。私はアメリカで1ヶ月の留学を経験しましたが、行く前は「短すぎね?」と普通に不安でした。
筆者の1ヶ月留学を振り返る
しかし、私が経験した1ヶ月間の留学は、今思うと大きな学びと成長の機会だったなぁ、と思います!本記事では、短期留学のメリットや得られるものについて私の体験を基に振り返ろうかなと思います。留学を考えている大学生・大学院生の皆さんに、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです!
筆者の留学の背景
大学の留学プログラムに参加
私が1ヶ月間のアメリカ留学を決意したのは、大学院博士課程1年の時でした。大学内の留学プログラムに採用され、航空券と宿泊費を支給してもらえることになったのです。このプログラムは、海外の研究室に滞在し、研究活動を通して自身の研究に役立てたり、共同研究のためのネットワークを築くことを目的としていました。
留学を決意した理由
留学を決意した理由は大きく2つありました。1つは、英語力の向上です。研究活動では、外国の研究者や学生とのコミュニケーションが欠かせません。論文の読み書きも英語が中心です。将来、研究者として活躍するには、英語でのコミュニケーション能力や発表力が必須だと感じていました。いつか英語をちゃんと話せるようにしよう、という意識はありましたが、今でしょ!の精神で行くことに決めました。
もう1つの理由は、自分の研究分野で世界的に有名な研究室に行き、その環境で自分の力を試したいという思いがあったからです。学部・修士と同じ研究室で過ごしてきた自分にとって、コンフォートゾーンの外に出て挑戦することで、良い成長の機会を得られると考えました。
留学先での経験
最先端の研究環境に触れる
留学先の研究室は、当時の私の研究分野において世界トップレベルの研究成果を持っていました。当然そのグループの研究者、学生のレベルも高く、日々刺激を受けながら研究に没頭することができました。
英語100%の環境でのコミュニケーション
日本の研究室でも英語を使う機会は結構あるのですが、英語しか通じない環境というのは全く状況が異なるので、とても良い経験でした。日常会話、研究室のメンバーとのディスカッションや、ゼミでの発表を通して、徐々に英語での表現力や理解力が向上していくのを実感しました。特に同じ人と話しているうちに、その人のよく使う表現を覚えるので、自分でも使ってみると自然と語彙力がアップしました!
文化の違い
研究室内外で、様々な国籍の人々と接する中で、文化の違いを理解し、適応していくことの大切さを学びました。例えば、ベジタリアンの人や宗教がある人も多いので、集団生活の中でも気を使わないと行けない場面がありました。そういった場面でのコミュニケーションの取り方や価値観の多様性を受け入れる柔軟性が身についたと感じています。というか、ここに書ききれないくらい、日本とは考え方の違う人や、文化があって、それを実際に経験するだけでも価値があると思います。
知らない土地を訪れる
せっかく海外に滞在するのだから、観光もしたい!という人も多いと思います。これに関しては大いに楽しんだ方がいいです(授業や研究など本来の目的に影響が出ない程度で)。私も留学中にニューヨークへ訪れましたが、日本とは違う食べ物、建物、観光施設などが楽しめて、自分の知ってる世界がどんどん広がっていく感覚がとても楽しかったです。留学の一つの醍醐味だと思います!
留学で得たもの
英語力の向上
1ヶ月間では流暢になることは難しいですが、英語力の向上は確実に感じられました。日常的に英語に触れる環境に身を置いたことで、リスニング力や会話の表現力が上がりました。また、専門分野の英語表現や、ディスカッションに必要な語彙力も研究室の人たちの会話を聞いていると段々と覚えることができました。英語力向上の効率に関しては留学中にどれだけ多くの人とコミュニケーションを取れるか、また、留学前にどれだけ英会話に慣れておくかにも依存すると思います。
ただ、自分の英語力がまだまだ足りないと痛感できたことも良かったと思います。英語を学び、海外でも通用する研究者になるための準備の重要性を痛感しました。また、グローバルな人脈の価値を実感したことで、国際的な共同研究や情報交換の必要性を認識しました。
研究の新たな視点と人脈の獲得
留学先の研究室では、私の研究テーマに対する新たなアプローチや視点に触れることができました。世界トップレベルの研究者との議論を通して、自身の研究の方向性や可能性を再確認することができました。また、私の場合、運も良かったのですが、たまたま滞在中の研究で良い結果が出たため、共同研究のお話もいただきました。現地の研究者とも友達になれたり、先生とコネクションを作っておくことで、将来のキャリアの選択肢が広がったことも良かった点だと思います。
国際感覚の養成
海外での生活と他分野の研究者との交流は、自身の研究の幅を広げるきっかけにもなりました。会話をしていると、自分の知らないキャリアプランや博士課程のプログラムなどがあり、海外での研究者の待遇が日本よりも圧倒的に優れてることがわかりました。アメリカでは、博士課程の学生は「仕事」として扱われ、給与も支給されています。研究に対する予算規模も日本よりも大きい傾向があり、こうした環境の違いを体感したことで、将来的な選択肢が広がったと感じています。
現地での生活も経験してみると、「あれ、意外と海外で働くのもありかも?」と自分の気持ちが変化していることに気づきました。留学前は日本企業で働くことしか考えていなかった私でもそう感じたので、もともと海外でのキャリアに興味がある方にとってはさらに良い刺激になると思います。
コンフォートゾーンを出ることの意識
慣れ親しんだ環境を離れ、海外の知らない土地で研究することは、簡単なことではありません。言葉の壁や文化の違いに戸惑うこともありましたが、その分だけ研究に関することはもちろん、その他の価値観も広がったなと思います。とにかく、コンフォートゾーンの外に出る、という意識が最大限に引き出されたので、自分の適応力や忍耐力が鍛えられましたし、今後の自分の生き方にも大きな影響を与えることになるだろうな、と感じました。
自己理解の深まり
留学の期間は、自分自身と向き合う機会でもありました。日本人がいない環境の中で、自分の長所や短所、価値観などを客観的に見つめ直すことができました。また、予想外の出来事に対処する中で、自分の思考パターンや行動傾向を理解してみるのが面白かったです。
まとめ
短期留学のメリット
筆者の体験から、1ヶ月という短い期間でも、留学には以下のようなメリットがあります。
- 英語100%の環境を経験できる
- 国際感覚の養成
- 新たな人脈・経験の獲得
- コンフォートゾーンの外へ出る意識が強くなる
留学は、自分の可能性を広げるいい機会です。期間の長短に関わらず、新しい環境に飛び込み、挑戦することには大きな意義がありますし、やり切った後は一生自分の自信になります!ぜひ、勇気を持って一歩を踏み出してみてください。